サウジアラビアでは会計はコンプライアンス業務
サウジアラビアの外資系企業にとって、会計システムは社内管理のためだけのものではありません。同じ帳簿が、VAT申告、ザカートと法人所得税の申告、源泉税申告、監査済財務諸表、給与ファイル、そして本社が求める月次報告の基礎になります。帳簿が遅れたり整合性を欠いたりすると、問題は一度にあらゆる場所に現れます。電子インボイスと一致しないVAT申告、監査済財務諸表と照合できない税務申告、雇用契約と合わない賃金ファイルなどです。
RDOは、サウジ法人や外国企業の支店の日常的な経理・給与業務を担当し、すべての申告を一つの整った帳簿に結び付け、年度末には認可監査人との調整を行います。報告はアラビア語と英語で作成し、日本、中国、トルコ、韓国などの本社との円滑なコミュニケーションを心がけています。
SOCPAが採用したIFRSに基づく記帳
サウジの企業は、サウジ公認・専門会計士機構(SOCPA)が王国内で承認した国際財務報告基準(IFRS)に基づいて財務諸表を作成します。一部の小規模な事業体は、その実態に応じて承認済みの「中小企業向けIFRS」を適用できる場合があります。初月から正しい会計基準を選ぶことで、初回監査前の大がかりな修正再表示を避けられます。
- IFRSおよびVAT・ザカート・法人所得税の要件に対応した勘定科目表
- 売上、仕入、経費、銀行取引の証憑付き月次記帳
- 銀行、仕入先、得意先、グループ会社間の残高照合
- 固定資産台帳、未払費用、前払費用、退職給付引当金
- サウジ法人の帳簿と親会社の帳簿の明確な区分
VAT申告とその他のZATCA申告
ザカート・税務・関税庁(ZATCA)は、VAT、ザカート、法人所得税、源泉税、物品税を管轄しています。VAT登録事業者は、ZATCAが指定する申告期間に応じて月次または四半期ごとに申告し、その数値はFatooraプログラムに準拠したシステムで発行した電子インボイスと一致している必要があります。請求書発行の仕組みを整備中の場合は、ZATCA電子インボイスのページもご覧ください。
- VAT登録の支援と明確な申告カレンダーの作成
- 帳簿と電子インボイスのデータに基づくVAT申告書の作成
- 仕入VATの控除、輸入、リバースチャージ項目のレビュー
- ZATCAからの照会への対応と正規の手続きによる修正
外資系企業のザカートと法人所得税
サウジアラビアは二本立ての制度を採用しています。一般に、サウジ人株主(および概ねGCC諸国の株主)に帰属する部分にはザカートが、非サウジ人株主に帰属する部分には法人所得税が課されます。完全外資の会社は通常、法人所得税の対象となり、サウジ側パートナーとの合弁会社は一般に一つの申告書で、持分比率に応じて課税基盤をザカートと法人所得税に按分します。計算ルール、欠損金の取扱い、費用の損金算入はZATCAが定め、随時改定されます。
年次申告は財務諸表を基礎とするため、私たちは年間を通じて帳簿を税務対応できる状態に保ち、通常調整が必要となる項目を把握し、監査済の数値に沿ってザカートと法人所得税の申告書を作成します。進出形態を検討中の方は、サウジアラビア投資ガイドで主な選択肢をご確認ください。
海外への支払いに対する源泉税
サウジ法人が非居住者に対して、サービス料、ロイヤルティ、技術料、利息、配当などを支払う場合、通常は税額を源泉徴収し、定期的な源泉税申告を通じてZATCAに納付する必要があります。税率は支払いの種類と租税条約の適用の有無によって異なり、条約の軽減を受けるには一般に証明書類が必要です。親会社への支払いは、特に誤りが起きやすい分野です。
- どの海外送金が源泉税の対象となるかの特定
- 源泉税申告書の期限内の作成と提出
- 租税条約の適用根拠と証明書類の保管
- グループ間取引の請求を契約書と、必要に応じて移転価格文書と整合
監査済財務諸表とQawaemプラットフォーム
サウジで登記された会社は一般に、年次財務諸表の監査を受け、会計年度末から定められた期間内に商務省の電子プラットフォーム「Qawaem」を通じて提出する必要があります。監査意見に署名できるのはサウジで認可を受けた監査人のみであり、RDOが監査報告書に署名することはありません。私たちの役割は、監査人が求める帳簿、明細、裏付け資料を準備し、スケジュールを調整し、財務諸表のアップロードとザカートまたは税務申告の完了までフォローすることです。
実務のヒント:決算締め後できるだけ早く、監査スケジュールと必要な明細の一覧を監査人と合意しておきましょう。残高照合や固定資産台帳が整っていれば、監査ははるかにスムーズに進みます。
GOSI・Mudad・WPS・Qiwaによる給与業務
サウジの給与業務は、相互に連携した複数の政府プラットフォームを通じて行われます。従業員は社会保険総機構(GOSI)に登録され、保険料はサウジ人と非サウジ人で異なります。毎月の給与はMudadと賃金保護制度(WPS)を通じて報告され、実際の支払額と登録賃金が照合されます。雇用契約は人的資源・社会開発省(HRSD)のプラットフォームQiwaで登録され、Qiwaには企業のサウジ人雇用比率(サウダイゼーション)の状況も反映されます。
- 月次の給与計算、給与明細、銀行振込ファイル
- GOSIへの登録、変更手続き、毎月の保険料確認
- 賃金保護制度のためのMudadへの賃金ファイルのアップロード
- Qiwaでの雇用契約の登録と更新
- サウジ労働法に沿った退職給付(エンド・オブ・サービス)の引当
- 退職時の休暇、手当、最終精算
本社向けの月次レポート
外国の親会社にとって、法定のコンプライアンスだけでは十分ではありません。私たちはグループで使用しているフォーマットで月次管理パッケージを作成します。試算表、損益計算書、貸借対照表、資金状況、グループ間残高、簡潔なコメントを含め、必要に応じてグループ勘定科目表に組み替えます。これにより本社の財務チームはサウジ法人を期限内に連結でき、課題を早期に把握できます。事業計画が変わった場合は会社の清算・再編もサポートします。また用語集では、手続きの中で出会うサウジ特有の用語を解説しています。