SABER証明書が必要な製品
SABERはサウジ標準・計量・品質機構(SASO)の製品安全・適合性プラットフォームです。製品がサウジの技術規則の対象であれば、SABERでの製品証明書と、出荷ごとの出荷証明書が必要です。電気・電子製品、建材、玩具・子ども用品、機械、自動車部品、繊維、家具など幅広い製品が対象です。
証明書は通常、サウジ登録の輸入者に発行されます。そのため日本のメーカーや輸出者は、サウジの輸入者を通じるか自社法人を設立するのが一般的です。適切なルートの選択と、実際に輸入する会社に証明書を紐づける手続きを支援します。
技術規則の対象となりやすい製品カテゴリー
SASOは要件を技術規則として整理しており、各規則が一つの製品群を対象に、満たすべき規格を定めています。SASOが新しい規則を発行したり既存の規則を改訂したりするたびに対象は変わるため、製品の分類は常に最新版で確認する必要があります。輸入者がよく直面する製品群は次のとおりです。
- 電気・電子製品:家電、照明、ケーブル、充電器、電動工具、IT機器など。一部はエネルギー効率登録も必要です
- 建材:鋼材、セメント、断熱材、配管、タイル、塗料、ドア・窓など
- 玩具・子ども用品:通常、化学的・機械的な安全試験が求められます
- 車両、タイヤ、バッテリー、自動車部品
- 機械、ガス機器、個人用保護具
- 繊維製品、家具、その他多くの一般消費財
特定の技術規則に該当しない製品でも、一般製品安全の要件が適用される場合があり、通常はより簡易なルートとなります。食品・化粧品・医療機器はSFDA(サウジ食品医薬品庁)の管轄です。SFDA食品登録、SFDA化粧品登録、医療機器登録のページもご覧ください。
製品証明書と出荷証明書
- 製品適合証明書:認定機関の審査後に製品ごとに発行され、一定期間有効
- 出荷証明書:貨物ごとに申請し、港・空港・陸路国境で税関が確認
遅延のよくある原因
- 非認定試験所の成績書や規格の誤り
- 製品説明と合わないHSコード
- インボイス・ラベル・証明書で製品名や型番が異なる
- 出荷後に手続きを開始
実務のヒント:製造段階でSABER登録を始めましょう。製品証明書があれば出荷証明書は格段に早くなります。
IECEE CBレポートと試験所選びのポイント
電気製品では、IECEE CBスキームに基づく試験報告書が国際IEC規格に準拠しているため、SABER証明書の技術的根拠として広く利用されています。ただし、CBレポートだけでサウジの証明書になるわけではありません。適合性評価機関は、規格の版、実際のモデル、サウジや湾岸諸国の国別差異を確認します。
- 対象規格についてISO/IEC 17025の認定を受けた試験所を利用する
- 報告書のモデルが、派生モデルを含め実際に出荷するモデルと一致しているか確認する
- 必要に応じて、230 V/60 Hzの電源や指定のプラグ形状など、サウジの使用条件が反映されているか確認する
表示ラベルとアラビア語表記
多くの技術規則には表示要件があり、ラベルは検査官が最初に確認する項目の一つです。詳細は製品によって異なりますが、一般的なポイントは次のとおりです。
- 製品名、型番、製造者、原産国。通常はアラビア語、またはアラビア語と英語の併記
- 消費者向け製品では、アラビア語の警告表示、安全上の注意、取扱説明書
- 規則で求められる場合は、電気定格、エネルギーラベル、その他の指定マーク
サウジ側の輸入者(Importer of Record)の選択肢
SABER証明書はサウジの商業登記に紐づくため、海外サプライヤーには証明書を保有する現地の主体が必要です。一般的な選択肢は次のとおりです。
- サウジの代理店・顧客が自社名義で製品を登録し輸入する。手軽ですが、証明書はその会社に帰属します
- Importer of Record(IOR)契約により、サウジ企業が代わりに輸入する。テスト出荷やプロジェクト向け供給でよく使われます
- 自社のサウジ法人を投資省(MISA)のライセンスで設立する。証明書と通関記録を自社で管理できます
サウジへの投資・法人設立と商業代理店登録もご参照ください。
通関、ZATCA、Fasahプラットフォーム
サウジの税関業務はザカート・税務・関税庁(ZATCA)が所管しています。SABERは税関システムと連携しており、出荷証明書は通常、通関時に電子的に照合されます。輸入申告は一般に認可を受けた通関業者が行い、多くの輸出入手続きは国の貿易シングルウィンドウであるFasahを通じて行われます。具体的な手順は、当局のシステム更新に伴い変わることがあります。
HSコード、品名、数量、原産地、証明書データがすべて一致していれば、通関は通常スムーズに進みます。不一致があると、貨物の留め置き、検査、サンプリングにつながることがあります。サウジからの輸出については輸出ガイドをご覧ください。
証明書取得後:更新と市場監視
製品証明書の有効期間には限りがあり、輸入を続けるには更新が必要です。新モデルの追加、工場の変更、設計変更があれば、証明書の更新や新規取得が必要になる場合があります。また、SASOが技術規則を改訂した際には、既存製品も移行期間内に新しい要件で再評価が求められることがあります。
適合性の確認は国境で終わりません。SASOと商業省は市場監視を行っており、店舗や倉庫で製品を検査し、是正措置やリコールを命じることがあります。
日本・中国・韓国・トルコのサプライヤーとSABER
SABERの作業の多くはサプライヤー側で発生します。試験報告書、技術ファイル、製品写真、ラベルデザインなどです。工場、サウジの輸入者、適合性評価機関の間の言語の壁や時差は小さな不整合を生み、後に証明書の発行を止める原因になりがちです。正しい書類を工場から直接集め、申請前にサウジの要件と照らし合わせて確認することで、こうした問題の多くを防げます。
RDOの支援
製品と技術規則の照合、試験成績書の整理、認定機関との調整、証明書発行までのフォローを行います。工場、サウジの輸入者、認証機関の間のコミュニケーションも橋渡しします。