SFDAの医療機器販売承認が必要な製品
サウジアラビアでは、医療機器、体外診断用(IVD)機器およびその付属品は、医療機器法とその施行規則に基づきサウジ食品医薬品局(SFDA)が規制しています。機器を輸入・流通し、病院、クリニック、薬局に供給したりオンラインで販売したりする前に、通常はSFDAの医療機器販売承認(MDMA)が必要です。対象は幅広く、ドレッシング材、注射器、手袋、手術器具、画像診断・モニタリング機器、インプラント、歯科材料、検査用分析装置、診断キット、医療機器に該当するソフトウェアなどが含まれます。
特に美容機器メーカーにとって、製品の位置づけは重要です。レーザー、IPL、高周波(RF)、HIFUなどのエネルギーベース機器や、ヒアルロン酸フィラー、PDO糸、多くのマイクロニードル製品は、化粧品ではなく医療機器として扱われるのが一般的です。スキンケアクリームはSFDA化粧品届出の対象になり得ますが、フィラーやレーザーは対象外です。最初に正しく分類することで、誤った申請ルートを避けられます。
サウジ認定代理人(AR)
海外メーカーは通常SFDAのシステムにアカウントを作成しますが、サウジでの販売承認を単独で管理することはできません。SFDAは、サウジ国内に拠点を置き、SFDAから認定代理人ライセンスを取得し、正式な委任状で任命された認定代理人を求めています。認定代理人はメーカーと当局との法的な窓口であり、申請の提出、文書の保管、安全性に関する連絡、市販後義務の支援を担います。
- 1機器につき1代理人:SFDAは通常、同一機器に複数の認定代理人を認めないため、選定は慎重に行う必要があります
- ライセンス保有者:認定代理人は有効なSFDAライセンスを保有し、定期的に更新する必要があります
- 流通とは分離可能:認定代理人は販売代理店、サウジ子会社、独立したライセンス保有会社のいずれでもよく、選択肢ごとに商業上の影響が異なります
日本、韓国、トルコ、中国のメーカーの多くは、販売代理店に認定代理人を兼ねてもらう形で始め、複数の代理店と取引したくなった段階で中立的な会社や自社法人に役割を移します。後から代理人を変更することは可能ですが、SFDAの登録情報の更新が必要なため、早い段階で体制を計画することをおすすめします。自社法人の設立を検討中の場合はサウジ投資ガイドをご覧ください。
医療機器とIVDのリスク分類
SFDAは機器をリスクに応じて分類し、通常はクラスA(最も低い)からクラスD(最も高い)までとし、IVDには専用の分類規則があります。分類は使用目的、身体との接触時間、侵襲性、能動機器かどうかによって決まり、IVDでは誤った結果が個人と公衆衛生に与えるリスクが反映されます。クラスによって審査の深さや求められる証拠、実務上の申請期間が変わります。
- 低リスク機器は通常資料が軽めですが、SFDAの要件に従った登録は必要です
- インプラント、能動治療機器、重篤な疾患向けの多くのIVDは、より詳細な技術・臨床審査を受けます
- EUや米国などでの分類は出発点として有用ですが、サウジでのクラスはSFDAの規則に照らして確認が必要です
参照国の承認とMDMA申請資料
申請はSFDAの電子システムを通じて行い、現在はライセンスと販売承認のサービスにGHADプラットフォームが使われています。SFDAは通常、認められた参照規制当局による既存の承認を考慮します。たとえばEUのCEマーク、米国FDAのクリアランスまたは承認、オーストラリア、カナダ、日本などでの承認です。こうした承認があるとサウジでの手続きは一般に円滑になりますが、SFDAの審査に代わるものではなく、追加情報を求められることもあります。参照国の承認がない場合はルートの要求が通常より厳しくなるため、対象機器ごとにSFDAへの確認が必要です。
一般的なMDMA申請資料には次のものが含まれます。
- 参照国の承認の証明(ある場合)と認定代理人の委任状
- 機器の説明、使用目的、分類の根拠、型式・バリエーションの一覧
- 安全性と性能の基本要件、リスクマネジメント、設計検証を網羅した技術文書
- 品質マネジメントシステムの証拠(通常はISO 13485認証)
- リスククラスに応じた臨床的証拠、IVDの場合は分析性能・臨床性能データ
- ラベル、使用説明書、適合宣言書、必要に応じて滅菌、生体適合性、ソフトウェア、電気安全の報告書
実務のヒント:型式名、カタログ番号、使用目的の表現は、CEやFDAの文書、ラベル、使用説明書、SFDAへの申請で完全に一致させてください。不一致は照会の最も多い原因の一つです。
アラビア語表示と使用説明書
SFDAは、ラベルの主要情報をアラビア語で、多くの場合英語と併記して提供することを求めています。通常は機器名、メーカーと認定代理人の情報、ロット番号またはシリアル番号、該当する場合は使用期限、保管条件、警告、使用方法が含まれます。医療従事者向け機器では詳細マニュアルの言語に一定の柔軟性がある場合もありますが、家庭用や一般使用者向けの機器では通常、完全なアラビア語の説明書が必要です。SFDAは機器固有識別(UDI)の要件も段階的に導入しているため、ラベルはこれを踏まえて設計すべきです。医学用語が正確で原文と一致するよう、アラビア語訳の作成と確認を行います。
事業所ライセンス、輸入業者と国家登録
MDMAは機器そのものを承認するもので、それだけで企業が機器を輸入・保管・販売できるわけではありません。医療機器を扱うサウジの輸入業者、販売業者、倉庫は、通常SFDAの医療機器事業所ライセンスが必要で、施設や保管条件の査察を受けることがあります。承認された機器はSFDAの医療機器国家登録(MDNR)に記録され、通関時には機器と輸入業者の双方が正しく登録されているかが確認されるのが一般的です。医療機器はSABERではなくSFDAの所管ですが、同じ貨物に含まれる医療用でない品目はSASOの規則の対象となる場合があります。
海外メーカーにとっては、メーカー、認定代理人、許可を持つ輸入業者・販売業者の三者を整合させることを意味します。販売代理店との関係を正式化する際には、商務省での商業代理店登録を検討する企業もあります。
市販後調査、ビジランス、回収
承認は規制ライフサイクルの終わりではなく始まりです。メーカーとその認定代理人は、市場にある機器を監視し、重大な不具合や現場安全是正措置をSFDAが定める期限内に報告し、回収に協力することが求められます。機器、ラベル、製造所、品質認証に変更がある場合は通常届出が必要で、MDMAも期限切れ前に更新しなければなりません。
- サウジ市場を含む市販後調査計画と苦情処理体制を整える
- 他市場で発行した現場安全通知を速やかに認定代理人へ共有する
- 認証とMDMAの有効期限を管理し、更新を期限内に申請する
RDOの支援
RDOは分類から承認取得までの道筋を調整します。製品ポートフォリオの確認、サウジでの想定クラスと申請ルートの確認、認定代理人体制の決定支援、技術文書とアラビア語表示の整理、GHADでの申請とSFDA照会のフォロー、輸入業者の事業所ライセンス取得の支援を行います。日本、韓国、トルコ、中国のメーカーの規制担当チーム、サウジのパートナー、SFDAの間のコミュニケーションを橋渡しします。サウジの規制用語は用語集で解説しています。